医学部再受験

卒後医学部再受験を決意 二十代男性 志望校 国立大学医学部

水の状態変化

水は我々の周りにありふれたなじみの深いものである。しかし、軟水で飲み水として飲める水が多いのは日本特有である。外国のある地域では硬水(カルシウムイオンやマグネシウムイオンを含む)の占める割合が多く、飲み水として利用できる水は少ない。そう考えると日本の水事情は恵まれている。

化学を勉強していると水に関する問題によくであう。H₂Oの分子構造の特徴は①折れ線構造②HとOの電気陰性度の差が大きく、極性を帯びていること③極性のために分子間で水素結合をしており、結果として比較的沸点が高いこと があげられる。

さらに、特徴的なのが、水の液体と固体の分子構造の違いである。試験でも、説明をよく求められる。その前に、状態変化についてしっかり理解しておく必要がある。状態変化とは、ある分子の状態つまり、固体、液体、気体というように、温度によって状態が変化するということである。以下、具体的に説明する。①固体であれば、分子同士の結びつきが強く、分子は自由に運動をすることが出来ない。結果として、並進運動、振動運動、回転運動などを行う。②温度が上昇につれて、分子間の結合が緩み、流動性が上昇する。つまり、融解が起こり液体となる。③さらに温度が上昇すると、分子の熱運動が上昇し、分子間力を切って自由に飛び回るようになる。つまり、沸点に達することで気体となる。ただし、融解の際に必要ななエネルギーに対して、沸騰の際に必要なエネルギーはより多くを必要とする。これは融解は分子間の結合を緩めるだけでよいが、沸騰は分子同士の結合を完全にきり、自由に飛び回れるだけのエネルギーを必要とするからである。

水の固体と液体の関係性について述べる。一般的に、氷は水に浮かぶ。これは、氷のほうが水よりも密度が小さいからである。密度はある体積あたりの質量であるから、それが小さいということは氷のほうが水よりも軽いのである。イメージして分かりにくいならば、同じ体積の異なった金属を用意する。一方は、アルミ、もう一つは鉄であれば、当然手でもって両者を比較してみると鉄のほうが重く感じる。つまり、鉄のほうが密度が大きいといえる。話は戻るが、一般的に、水以外の物質の液体と固体であれば液体に比べて固体の密度は大きい。ではなぜ水では液体に比べて固体の密度が小さいのか述べる。

水の固体は正四面体構造をしている。各頂点に水分子が正四面体の重心(中心)にさらに水分子が存在する。これは、水分子が極性を持ち、分子間で水素結合をすること、さらに折れ線構造をしているため、結合において方向性があることと関連する。以上から、水の固体はスキマが多い構造をしており、固体から液体へと変わると熱運動によってその特異的な構造が壊れることで体積が減少するのである。

以上で説明を終える。